長嶋正樹の靴屋稼業50年 その72

June 21, 2017

ももちゃんとのニューヨーク 4

 

 

ある晩、ジャズを聴きに行こうと音楽好きのももちゃんがリクエストして来た。

 

そこで20ドルのスタジャンの二人と今回の仕事先でニューヨーク駐在の岡田君との

 

三人でヴィレッジヴァンガードに行った。

 

さすがニューヨークのジャズは音楽に疎い僕も「すげー」と思った。

 

ジャズ演奏もさることながら雰囲気も最高で、ももちゃんは感動していた。

 

深夜2時ごろ帰ろうということになり、後ろ髪を引かれる思いでヴィレッジヴァンガードを後にした。

 

何日か前、8番街のボロい”ホテルミルフォードプラザ”をチェックアウトして、

 

駐在の岡田君のニュージャージーにあるアパートに泊めて貰っていた。

 

ニュージャージーに帰るのは、あの悪名高い深夜の地下鉄でポートオーソリティーバスターミナル

 

まで行かなくてはならない。

 

深夜の地下鉄もスリルがあったが、ポートオーソリティーバスターミナルに着いた時、

 

我慢していたトイレが切羽詰まっていた。

 

バスに乗ってアパートまで僕の膀胱はもちそうにない。

 

思い切って一人、深夜のバスターミナルのトイレに駆け込んだ。

 

中に入るとホームレスの様な人たちがたむろしていて、いっせいに僕の方を見る。

 

手を洗う水道はお湯が出るので、裸になって体を洗っている人もいる。

 

逃げて帰ろうと思ったが、僕の膀胱はキャパいっぱいで我慢出来そうもない。

 

しかたなく便器の前に立ち放出した。

 

早く終わりたいのだが、我慢していたのでどんどん出て来る。終わりそうもない。

 

周りからじっと見られているのが分かる。早く終われ、早く終われと願う。

 

やっと終わり、手を洗いに洗面台に行くと全員明らかに僕を見ている。

 

ハンカチで手を拭きながら周りを見渡すと、全員半端なく人相が悪い。慌ててる逃げる様にトイレから出た。

 

その後何回も海外旅行をしたが、この時が一番怖かった。

 

 

続く

 

 

 

 

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