長嶋正樹の靴屋稼業50年 その73

June 27, 2017

ももちゃんとのニューヨーク 5

 

 

東京に帰る前の日、ももちゃんは岡田君と岡田君の会社の社長と仕事があり、

 

夜も会食で遅くなるということで、その日一日一人で過ごす事になった。

 

岡田君のニュージャージーのアパートから再度8番街のボロいホテル、ミルフォードプラザに戻っていた。

 

ももちゃんが出掛ける時に「ももちゃん、俺もうドルがほとんどないので、貸してよ」と言うと

 

「俺もキャッシュは無いけどトラベラーズチェックならだいぶあるよ」と言って、サインした40ドルのチェックをくれた。

 

ももちゃんが出かけてから下のフロントに行ってチェックをキャッシュに変えてもらいに行った。

 

するとフロントのおじさんが、IDを見せろと言う。本人かどうか確認する為だ。

 

同室の友達のだと言っても「NO!」だ。「しょうがない!なんとかなるだろう」と

 

残りののわずかなドルをポケットに入れてクリスマスムードのマンハッタンに飛び出した。

 

一人でデパート、洋服屋、靴屋、鞄屋などマンハッタン中を歩きまわった。

 

冬のニューヨークは夜になるのが早い。暗くなるとクリスマスのイルミネーションが見事だ。

 

寒くなって、空から白いものが落ちて来た。雪だ。

 

腹が減って寒さが身にしみる。街かどに焼き栗屋が出ていて暖かそうだ。

 

近づいてみるとこんがり焼けた皮の裂け目から黄色い栗の中身がのぞいている。

 

美味そうだ!

 

堪らずなけなしのドルをはたいて買ってしまった。

 

もうスッカラカンだ。夜飯はどうしよう?

 

 

続く

 

 

 

 

 

Please reload

最近の記事
Please reload

アーカイブ
Please reload

タグ
Please reload

  • Facebook Basic Square