長嶋正樹の靴屋稼業50年 その102

January 17, 2018

Hand Sewner Barny

 

Quoddyを作るモカシン工場のSkow Hegan、Tru Stitchのハンドソーイング.モカシン工場には腕の良いハンドソナーが絶対に必要だ。オンザラストで一針、一針穴を開けながらモカを縫っていくので、モカの立ち上がりが見事でその美しさは、先に穴を開けそれに糸を通していくプリパンチ.モカとは比べものにならない。オンザラストのハンドソナーは、ベテランでも1日7足縫えれば良い方だ。それほど技術と経験が要求される。

 

ボブ.スミスの工場Skow Heganにバーニーというベテランのハンドソナーが居た。彼が縫うハンドソーンモカは実に美しかった。目検討で針穴を開けていくのだが、そのピッチがまるでスケールで計ったように一定でモカの立ち上がり、合わせ目が人間技とは思えないほどきれいなモカだった。ボブの工場には何人かのハンドソナーが居たが、バーニーは特別だった。

 

それから何年か経ち、ボブの工場にも行く機会がなくバーニーとも会う事もなくなった。それと言うのも日本の市場では急速にハンドソーンモカシンの需要がなくなってしまったのだ。

 

アメリカ産の靴、特にカジュアルシューズが下火になり、イタリア製のカジュアルシューズに人気が集まって来た。アメリカ好きの僕はその流れひたすら抵抗していたのだが、売り上げの低下には逆らえず、渋々重い腰を上げてヨーロッパ最大の靴の見本市、ドイツ、デュッセルドルフのGDSに出かけた。

 

広大な会場を歩き回っているとアメリカのメーカーが集まるブースでハンドソーンの実演をやっていた。懐かしさでそばに寄って見ていると、実演をやっていたハンドソナーが僕を見つけると満面の笑顔で僕に抱きついてきた。バーニーだ!久しぶりに会ったバーニーは元気で相変わらず美しいモカを縫っていた。また出来ればバーニーが縫ったモカシンを作りたいものだ。

 

続く

 

ハンドソナーのバーニー

 

 

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