長嶋正樹の靴屋稼業50年 その124

July 12, 2018

 

インドネシア モカシン工場 6

 

当時インドネシアの靴産業は発展めざましかった。日本からだけでなく韓国系や台湾系などの靴の技術者や工場などが地元の企業に参加して新しい工場が続々と誕生していた。

 

あるジャカルタのモカシン工場で作らせたサンプルが非常に出来が良く価格も安い。大量のオーダーが取れて、生産に入ったらトラブル続出など、新しい工場ならではの問題も多かった。

 

その中でジャカルタにあるモカシン工場はオンザラストモカシンではなく、プリパンチ(アッパーの段階でモカ穴を開けてモカを手縫し、後から木型を入れる)なのだがオーストラリアなどに輸出したりして、他国との提携はしていないインドネシア独自の工場だった。

 

僕はそこに木型、紙型を持ち込みサンプルを作らせたりしていた。もちろん日本向けの量産のオーダーも出していたのだが、その工場の社長が「ナガシマ、おまえのデザインの靴はオーストラリアのお客に非常に評判が良い、もっとどんどんデザインを出してくれ」と言う。なんと!僕のサンプルを余分に作り他の客に見せてオーダーを取っていたのだ。

 

全然悪気が無くあっさり言うので驚き、文化の違いをまざまざと思い知らされた。

 

聞いたところによると、その工場はオリジナルブランドを立ち上げ、インドネシア国内で販売を始めて成功し、テレビコマーシャルも流しているそうだ。

 

喜んで良いのかどうか複雑な思いである。

 

 

続く

 

 

これもインドネシア製ではありません。Made in USA

 

 

 

Please reload

最近の記事
Please reload

アーカイブ
Please reload

タグ
Please reload

  • Facebook Basic Square